1964年の東京オリンピックは1兆円をかけた

1964年東京五輪は、「1兆円オリンピック」と呼ばれた。

というのも、大会運営費、競技施設の整備費、インフラ整備という大きな3つの支出を合計する9873億6300 万円となり、1 兆円に近い費用がかかっているからだ。

もちろん、インフラ整備などは、五輪開催がたとえなかったとしても計画されていたものであり、たまたま五輪開催に間に合わせたに過ぎない。

こうした途上国型の五輪開催例は、ソウル大五輪、北京五輪でも見られた。

ちなみに東京五輪当時の国家予算はおよそ3兆2554億円。

インフラ整備は何年もかかって施されたものであるが、国家予算の約3分の1に近い巨額の事業費が五輪に投じられたことになる。

この当時の日本のGDPが29兆5000億円であり、GDP比で3.7%が東京五輪に費やされている。

以下の表では、東京、ソウル、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、そして冬季五輪ながら最も史上最も経費を掛けたと言われるソチ、来年2月開幕の平昌五輪を表にしてみた。

アテネ五輪がギリシャの経済規模を超えたものであったことは明白だ。

五輪開催経費はGDP比1%が適当と言われている。

1964年の東京や、1988年のソウルは明らかに費用をかけ過ぎたが、高度経済成長期だったため問題なく通り過ぎた。

が、ソチ五輪を開催したロシア。

GDP比率は2.5%を超えた。

巨額の投資をしたソチと同じことはできない。

ソチ以降の冬季五輪開催に前向きだった欧州の都市を萎縮させ、2022年冬季五輪の開催地争いは北京とアルマトイの一騎打ちとなり、北京が勝利した。

平昌五輪のメイン会場は、平昌五輪スタジアム。

635億ウォン(約1200億ウォンという説もある)かけて、今年の9月末に竣工したが、仮設で、五輪の開会式、閉会式とパラリンピックの開会式、閉会式の4日間のためだけに使用される。

そのため「使用料が1日158億ウォン」と揶揄されている。

屋根も壁もないらしいが、平昌は雪が降らないから良いのだろうか?

●最近の冬季五輪メインスタジアム

2018年 平昌オリンピックスタジアム(仮設)

2014年 ソチオリンピックスタジアム(サッカーロシアW杯の会場)

2010年 BCプレイス(人工芝の球技場)

2006年 スタディオ・オリンピコ・ディ・トリノ(サッカー場)

2002年 ライス・エクルズ・スタジアム(ユタ大学所有の球技場)

1998年 長野オリンピックスタジアム(野球場)

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